数学で英語を勉強するブログ

昔数学を嗜んでいた社会人が苦手な英語の勉強をするブログです。数学の話題も扱っていきます。

Schlenkサーベイ-Total Rigidity-その1

こんにちは!GiTaNです!
Schlenkのサーベイを読んでいきましょう!
以下で使用する記号の定義はこちらにまとまっております

さて、今回は埋め込みに関する3つの結果のうち1つ目を紹介していきます。(※証明ではない)
◆Total Rigidity
Ellipsoid  E(a,b) を Cylinder  Z(A) にシンプレクティックに埋め込むという問題を考えます。このとき Aをめちゃくちゃにでかくすると当然埋め込まれるはずなので、埋め込めるような Aの下限を考えることにシンプレクティック幾何学的な価値があることがわかるでしょう。
ここで、シンプレクティック埋め込みとはシンプレクティック形式を保つような埋め込みでした。(ざっくり言うと”面積の測り方”が変わらないように埋め込むということ)
同様に、シンプレクティック形式を保つような微分同相写像をシンプレクティク同相(symplectomorphism)と呼びます。例えば、(複素)座標を入れ替えたりすることはシンプレクティック同相です。シンプレクティック同相は、埋め込み可能性に影響を与えません。(シンプレクティック形式を変えないので)

また、埋め込む側( E(a,b))と埋め込まれる側( Z(A))のシンプレクティック形式を同時に拡大したり縮小したりする操作(\omegaを定数c倍する)をしても埋め込み可能性は変わりません。

以上を考えると、結局 Ellipsoid  E(1,a) を Cylinder  Z(A)に埋め込む問題を考えれば良いことになります。

次回は、この埋め込み問題について結果をなめていきます! 

Schlenk サーベイ

こんにちは!GiTaNです!

今日は、下記のSchlenkのサーベイを読んでいきたいと思います。

F.Schlenk - SYMPLECTIC EMBEDDING PROBLEMS, OLD AND NEW

https://www.ams.org/journals/bull/2018-55-02/S0273-0979-2017-01587-X/S0273-0979-2017-01587-X.pdf

Schlenk といえば今まで散々話題にしてきたMcDuff-Schlenkの定理のSchlenkです。当初気になっていたECH(embedded contact homology)よりも N(a,b)という量が気になりすぎてSchlenkのサーベイを読んでみることにしました!(趣味の数学は自由でいいですね笑)

このサーベイでは、シンプレクティック埋め込みを研究する意義を古今東西の結果を紹介しながら考えていくということのようです。どういったモチベーションでドライブされてきたのでしょうか?

  • Introduction
    • まず、「4次元立方体にボールをいくつかシンプレクティック埋め込みした時に、満たされる体積の比率は?」という問題を紹介しています。埋め込むボールは、1個でもいいし、k個でも構いませんが、全て同じ半径を持っているものとします。各kについて最大の比率を表にしたものが以下です:
      k 1 2 3 4 5 6 7 \geqq8
      比率 \frac{1}{2} 1 \frac{2}{3} \frac{8}{9} \frac{9}{10} \frac{48}{49} \frac{224}{225} 1
      ふーん・・・という感じで、まったく証明が思いつかないのですが、この問題を理解しどういったポイントがシンプレクティックぽいのかということをこれから見ていくようです。
  • そして、Schlenkはシンプレクティック幾何学古典力学から発生したものだが、今に至っては全ての幾何学および数論や組み合わせ論とも関係するかなりミステリアスな対象だよねということを述べています。件の N(a,b)などはこのいい例でしょう。
  • さらに、GromovのNon-squeezing Theoremに見られるように、埋め込みの問題というのはシンプレクティック幾何学の重要な問題であり、他分野との繋がりをもたらす問いでもあるようです。

なるほど・・・埋め込みの問題が深すぎてそこが全く見えてこないのですが笑 ちょっと読んでみようと思います!

N(a,b)なんか使えないのか!

こんにちは!GiTaNです!

今日は徒然なるままに数学の話をしましょう笑 

前回 McDuff-Schlenkによるellipsoidをballにシンプレクティック埋め込みできるようなballの半径についての定理を知りました。

ここで、ざっと復習をすると N(a,b)という a bの非負整数上の線形和を重複を許して小さい順にならべた数列についての大小関係がellipsoid  E(a,b) たちが互いにシンプレクティック埋め込み可能であるかのCriterionになっていたのでした。

この時、 N(1,a)の一般項を書き下そうと思うと、非常に難しくてなんかモヤモヤした状態になるのですが、これが N(c,c) = \{c\cdot\lfloor\frac{-1+\sqrt{8k+1}}{2}\rfloor|k = 0,1,2,\cdots\} で、Strictに上から押さえられるようなcのギリギリの境界値 f(a)が明示的にわかるよ!というのがMcDuff-Schlenkのやったことでした。

この定理、シンプレクティック埋め込みの文脈じゃなくても結構面白いと思うのですが、原論文を見てみると、証明はシンプレクティック幾何的というよりは、初等整数論組み合わせ論的な証明になっているように見えます。

つまり、代数をつかって代数の定理を示していて、結果が埋め込みにも関係しているという構図になっています。
同様に他のことがわかったりしないか?というのが、タダ乗り精神あふれる感じで好きなのですが、どうでしょうか?笑

例えば、 aをFixして、 N(1,a) のk番目の項 N_k(1,a)を一つとった時に、これを aの関数 F(a,k)だと思って、 aを少し( \epsilon)だけ増やすとF(a+\epsilon,k) N(1,a+\epsilon)の中では、k番目の項ではないかもしれないしk番目の項のままかもしれませんが、 \epsilonを増やしていくとどこかで順番が変わりますよね。(どれだけ小さい \epsilonでも十分大きいkでは順番は入れ替わるでしょうね。)この時の入れ替えの群とかが、 \epsilonを変えた時にどう変わっていくか?とかは趣味としては難しすぎるかな〜。誰も興味持ってないと思うので、学問的にも無価値ですかね笑 

♠︎: We deduce

こんにちは!GiTaNです!

今日は、deduce に注目していきたいと思います!

意味は、「推測する」というのが一般的ですが、数学の場合は演繹するという意味あいで使われることも多いでしょうか。もっと簡単にわかるとか導かれるとかでもいいでしょう。

以下例文です!

【deduce that *** from ~~~】~~~ から *** がわかる

  • We deduce that an ellipsoid  E(a,b) can be embedded into  E(c,d) symplectically if and only if  N(a,b) is less than or equal to  N(c,d) from McDuff's theorem.

【~~~ be deduced from ***】受動態

  • Theorem 1 can be deduced from Lemma 2 and Proposition 3.

以上!

♠︎: We begin by giving a brief overview of results about the contact geometry.

こんにちは!GiTaNです!

今日は、begin に注目していきたいと思います。

この記事でも言及していますが、イントロダクションなどでも使える基本的な表現です!

以下、例文です。

  • 【begin with】文法的には動名詞でも良い気がしますが、名詞の場合が多いかな?
      We begin with an illustrative example.
  • 【begin by】by の後ろは動名詞が多いです!
      We begin by proving Fermat's Last Theorem in the general case.
  • 【begin to】to + 動詞
      Some recent studies begin to look into this problem.
  • 【At the beginning of】その他!
      As mentioned at the beginning of this section...

以上!beginの使い方でした!

【スモールルール】together with の謎

こんにちは!GiTaNです!
前回の内容で気になった表現をみていきたいと思います。

参考文献はこちら:

[1303.5789] Lecture notes on embedded contact homology


テーマはこの文です:

It is not hard to deduce from Theorem A, together with Eq. B and Eq. C, that ***.

意味は、定理Aと等式B,Cを組み合わせれば、***が難なく演繹される。ということなんですが、このカンマで区切って適当なところに放り込むやり方が、マネできないなと感じたので選びました!

適当にカンマで区切って放り込むのは文法的には、挿入構文ってやつですかね?

  • 挿入されるのは、副詞・主節・フレーズ(上記文の場合は副詞句)
  • 挿入位置は、Be動詞の後ろ、動詞や助動詞の前、文末(今の場合は???)

あれ?なんかルールに反していますね?なんだろう・・・明日に続きます!