数学で英語を勉強するブログ

昔数学を嗜んでいた社会人が苦手な英語の勉強をするブログです。数学の話題も扱っていきます。

Schlenkサーベイ - 4. Why study symplectic embedding problems その2

こんにちは!GiTaNです!

いつの間にか2月になってしまいました。今日も元気よくSchlenkのサーベイを読んでいきましょう。

今日のテーマは↓
◆What can one do with a Hamiltonian flow?
ということで、シンプレクティック同相の一種であるHamiltonian flowで領域を変形した場合の結果についてザクっと見ていきます。

そもそもHamiltonian flowって何でしょうか?
説明を試みると、flowというのは日本語で言うと積分曲線ということで、何らのベクトル場が多様体上にあったときに、これに沿うように点を動かしていく写像ということになります。これは時間に依存して変化していく写像で、例えばベクトル場Xの時刻tでの積分曲線\phi_t多様体上の点pで任意の滑らかなfについて次を満たすものです:

\frac{d}{dt}|_{t=t}f(\phi_t(p))=X_{\phi_t(p)}(f).

以下では(時間に依存するかもしれない)ベクトル場Xに対して、その積分曲線を\phi_Xと書くことにします。(時点を明記したい時は(\phi_X)_tと書くことにしましょう。変えるかもしれません笑)

このflow\phi_Xのうち、シンプレクティック形式\omegaについて、次を満たす多様体上の関数Hがある時にHamiltonian flowと呼びます:

\iota_X\omega = -dH.

ここで、\iotaは内部積を表します。

なんでHamiltonianと言うかというと、私も詳しくは知らないのですが、もともと大学1年生の物理で習う解析力学という分野のハミルトン力学というのが元になっています。
Wikipediaの記事のpqによってシンプレクティック形式をdp\wedge dq、ベクトル場をX=\dot{p}\frac{\partial}{\partial p}+\dot{q}\frac{\partial}{\partial q}と書いた場合にちょうどハミルトン方程式が上の式になるので、そういう力学を多様体の上に一般化したものというように捉えることができます。

ちょっと物理よりなHamiltonian flowですが、数学としても面白い結果がいろいろ知られているようです!ちょっとずつ見ていこうと思います。

 

以上!