数学で英語を勉強するブログ

昔数学を嗜んでいた社会人が苦手な英語の勉強をするブログです。数学の話題も扱っていきます。

Schlenkサーベイ-Total Rigidity-その4

こんにちは!GiTaNです!

クリスマスシーズンになってきましたが、普通に年末で忙しいだけになりつつあります笑

今回は、シンプレクティック埋め込みに関する結果の1つ目であるTotal Rigidityのまとめ回です。3回(その1その2その3)に分けて紹介してみましたが、ざっくりまとめると以下の内容となります:

  • Ellipsoid E(1,a)をCylinder Z(A)へシンプレクティックに埋め込む問題を考える(\Leftrightarrow c_{EZ}(a):=\inf\{A|E(1,a)\hookrightarrow Z(A)\}を求める)
  • シンプレクティック埋め込みが難しいのは、特にシンプレクティック変換の群が無限次元だからである
  • Gromovは概正則曲線の理論を用いて埋め込みによって面積が変わらない局面を構成(=これが埋め込みの障害(obstruction)となる)し、Non-squeezing theoremを証明した

これらをまとめると次の式になります:

c_{EZ}(a) \equiv 1, for a\geqq 1.

ここで、c_{EZ}の定義中の埋め込みをシンプレクティックからユークリッドにしても同じ結果となることを考えると、Ellipsoid E(1,a)をCylinderZ(A)へシンプレクティックに埋め込むのは無限次元分の自由度があるにも関わらず、平行移動と回転しか許されていないユークリッド幾何の時と同じ=かなりカチカチなんだということがわかりました! 次回は逆にグニャグニャになることがあるのか?という問題について見るため、紹介する順序を元のサーベイとは順番を変えてTotal Flexibility についてみていきましょう!